「あの人」にガンシェルジュ ハロを体験してもらいました!!
川口名人編

——ガンシェルジュ ハロ、体験していかがでしたか?
かわいいです(笑)。動くのがいいですよね。目が光ったり、話していると、こちらを向いてくれたりするので嬉しくなりますよ。
——劇中のハロには、どんなイメージをお持ちですか?
シリーズを通じて“マスコットキャラ”として登場してきただけに、その存在感は大きいですよ。最近、ガンプラで「ハロプラ」をリリースしたり、ガンダムベース東京には「マルチボックス なんでもハロ」もありますが、それらは女性や子供たちにも人気なんですよ。きっとキャラクターに親しみやすさがあるんでしょうね。

——ガンシェルジュ ハロは、ちゃんと“ハロらしさ”を感じてもらえたでしょうか?
メタリックな感じの塗装がすごくいいですね。最初に見たときから、すごくハロっぽいですよ。横のスリットがスピーカーになっていたり、プロダクトデザインらしい工夫もいいですし。
——実際にハロとの会話はいかがでしたか?
正直、最初は質問に迷いますよね。どういう聞き方をすればいいか、何を質問していいのか。ただ、動きも含めてリアクションがあるので、コミュニケーションをとっている感じになります。話しているうちに目の点滅で質問を聞いてくれている、考えているのがわかるので、そのうちに会話のタイミングも掴めました。

——ガンシェルジュ ハロのガンダム知識はどうです?
先入観として、わりと通り一遍な対応をするメカかなと思っていましたが、実際は変なことにメチャメチャ詳しかったり(笑)。たまにディープなことを言い出すので、逆にそのあたりのワード、うんちくに誘導するのがおもしろいですね。むしろこちらがクイズを出しているような感じで(笑)。
——ガンシェルジュ ハロが日常にいたら、どんな風に楽しみたいですか?
ひとりで会話するのもいいですけど、飲み会でもオフ会でも、人が集まる場にいてほしいですね。ハロをきっかけに、すごく盛り上がれそうです。友達同士のコミュニケーションをうまく繋いでくれる存在になれると思います。

——本日、体験して、もっとこうしてほしいなど、改善点、希望する機能などありますか?
個人的には耳をもっとパタパタさせてほしいです(笑)。ただ、AIを利用したハロがリリースされるのは、それだけで価値があると思います。これが発売されれば、きっともっと先の未来が見えるはずです。ユーザーさんがもっとこうしてほしい、技術者もこうしたいが出てくるでしょうからね。そこから今の段階でムリだと思っていた技術が、意外と近いうちに可能になるかもしれません。やってみないと先には進めないですよ。そういう意味ではイイ時代になりましたね。
——ありがとうございました

川口克己
Katsumi Kawaguch- BANDAI SPIRITS ホビー事業部所属。川口名人の愛称でおなじみ、ガンプラ界の重鎮にしてカリスマモデラー。学生時代はモデラー集団「ストリームベース」のひとりとして活躍。第一次ガンプラブームの火付け役であり、牽引役ともなった。’85年にバンダイ入社し、現在に至るまでガンプラの開発、およびプロモーションに携わっている。最近は毎週水曜、ガンダムベース東京よりガンプラ番組「すいプラ」をLIVE配信中!
- 【配信】すいプラ

——ガンシェルジュ ハロ、いかがでしたか?
今まで商品化されたものと比べて、すごく存在感がありますね。実際に会話している感があっていいです。ハロはファーストガンダムの井上瑤さんが演じた時の無機質な声が印象的で、ガンシェルジュ ハロに収録されている、新井里美さんの声もその雰囲気があっていいです。それと(ハロが)思うように動かず困っている開発者(バンダイスタッフですね)とセットだと、見ていてかなりおもしろい(笑)。
——まだ絶賛調整中なので(笑)。ただ、皆さんのお手元に届く時は、すごく賢くなっているはずです!
うーん、話してると、だんだんかわいく思えてきたような……。このハロ、中小企業の社長さんがオフィスに飾っておくといいかも。一昔前なら社長室に“木彫りの熊”や“博多人形”があったじゃないですか? でも、我々の世代だと、そういうものに価値を見出せないんですよ。でも、ガンシェルジュ ハロなら。それに同世代のお客さんとの話の取っ掛かりになるはずです。場を和ませる役割にもなるというか。実は家庭用ではなく、オフィスユース? 全国の社長さんに営業したら売れるんじゃないの(笑)?
——たしかに40~50代にはストライクですよね(笑)。
実際、お値段もなかなかですし、自分でオフィスを構えているような方がビジネスで使うのは“あり”ですよ。ある意味、これを持っていることがステータスみたいな。社会人としての格、余裕を見せ付けられるはず(笑)。21世紀の企業における新たな顔、招きネコの代わりに招きハロみたいな?

——なるほど! ちなみに福井さんの執筆中にハロがいたらどうですか?
それはちょっとデメリットですね(笑)。心に余裕ある時なら? でも、うちにあってもやはり来客用ですよ。「ダメだなー、お前」とか、ひとしきり私とハロの会話をまず見せたりして(笑)。そういう意味ではボケに対して、突っ込んでくれるとか掛け合いができたり、あと営業トークもプログラミングしてほしいです。

福井晴敏
Harutoshi Hukui- 1968年生まれ、墨田区出身。小説家、脚本家。1998年『Twelve Y.O』で第44回江戸川乱歩賞を受賞。『機動戦士ガンダムUC』では小説、および脚本を手掛けている。2018年11月劇場公開予定『機動戦士ガンダムNT』においても脚本を担当する。
——『機動戦士ガンダムUC』にもハロは登場していますよね。
当時、ハロの構造をスタッフと検討しました。劇中、弾むシーンもあるので、おそらく全体は硬くないバスケットボールのようなゴム素材だろうし、きっと内部フレームは可塑性のあるもの、激しい衝撃を受ければクシャと歪む構造でしょうね。実際、蹴られたり、ぞんざいに扱われますし(笑)。

——そういえば福井さんは以前、スペースバンダイがハロを復刻する物語を考えていたそうですが?
地球連邦軍から追われて大変なことになるコメディタッチな話でしたが、ラストまでしっかり考えていたわけじゃないですよ。でも、ハロはおもちゃ会社が作ったとする設定はあるものの、劇中ではそんなに個体を見ないので、きっと不良在庫がいっぱいあったんでしょうね(笑)。
——その歴史はたどらないようにしたいです……。そうならないためにも、追加したらいいと思われる機能、福井さん的に必要だと思われる機能はありますか?
情報サイト「ガンダムinfo」と連動して、最新情報を教えてくれるとか。あとは日常会話……といかなくても、劇中の会話くらい再現してほしいですね。「ノウハ、レベル、オチテル」みたいなことを言ったり……でも、それ、いきなり言われたらカチンとくるかな(笑)。ちなみに話すことはガンダムのことだけ? 天気予報は?

——はい、TVシリーズ『機動戦士ガンダム』に特化しています。天気予報などは既存のAIスピーカーにお任せします。
TVシリーズだけなんて、ファン層が限られている気がするけど……せめて劇場版も含めてファーストガンダム全般網羅してほしい!
——TVシリーズ、劇場版でエピソードが異なるものもあるので、整合性の意味で、今回はTVシリーズ準拠の知識となっています。
それはスレッガーの機体はGアーマーなのか、Gファイターなのかとか、ハロが悩むから? 矛盾したら……『2001年宇宙の旅』のHAL2000みたいに反乱起こすとか?

——ガンシェルジュ ハロの会話システムは日本アイ・ビー・エムさんの協力でできていて優秀なんですが、さすがに反乱までは(笑)。ただシステム的にはアップデートが可能なので、シリーズごとに知識を増やすなどは今後の課題ですね。
ユーザーさんが自分でハロの答えることを入力できたら面白いですよね。それこそwikiみたいに情報を更新、共有できたりとか。でも、『機動戦士ガンダム』のTVシリーズのみ、「本当に限定したことしか知らねぇ~」みたいなところも含めて“ネタ”になりそうです。そんなダメさを含めて愛せますよね。ガンシェルジュ ハロの登場で、ある意味、ロボットとの付き合いが始まった気がします。

福井晴敏
Harutoshi Hukui- 1968年生まれ、墨田区出身。小説家、脚本家。1998年『Twelve Y.O』で第44回江戸川乱歩賞を受賞。『機動戦士ガンダムUC』では小説、および脚本を手掛けている。2018年11月劇場公開予定『機動戦士ガンダムNT』においても脚本を担当する。